2018年11月20日
頒布物のサポートページを一部修正しました
http://fluorite.halfmoon.jp/word/distri_support.html
2018年11月08日
技術書典5へ委託&売り子で参加しましたレポート(感想とログ)
概要
技術書典5へ、サークル「Clear-mint:き24」さんの売り子として参加&委託頒布させていただいた感想。

技術書典2から数えて、薄い本の作成4回目。自分の中での振り返りと「記録」のための言語化(頭の外に出そう!)。 簡単に感想を述べるなら、次の3つ。
- こういう本が当時に欲しかった!を書けたので満足♪
- Re:VIEW環境+キンコーズ利用で、初めてのコピー本も困ることなく作成できた。
- 頒布数は盛大に爆死した。委託頒布はサークル参加しての頒布とは別物と心得よ。
ちなみに前回の技術書典4では「頒布数、ほぼ読み通り!」とかほざいてましたね、私。ハッハー。 http://fluorite2.sblo.jp/category/4409735-1.html
なお、頒布した新刊本は次の1冊。
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ファイル処理スクリプトをJavaScript/TypeScriptでTDD する〜Sinon.js でAPI のスタブ作成〜
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頒布本に記載のサンプルページ、サンプルコードなどのサポートページはこちら。 http://fluorite.halfmoon.jp/word/tbf05_stub_typescript/index.html
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技術書典5開催の公式ページはこちら。 https://techbookfest.org/event/tbf05
こういう本が当時に欲しかった!を書けたので満足♪
技術書典5への参加日程を確保した頃と前後して、 Node.js上でユニットテストするときのスタブ関数の作成周りについて、 Sinon.jsライブラリを利用して最短距離で使い方を覚える道はコレなんじゃない?って経験を偶々ゲットした。なのでそれをベースに書いてみた。
テストコード側のスタブ作成に悩んだり、そもそも何が嬉しいのだテスト駆動開発は?って疑問に思っていた過去の自分が読んだ時に 「必要最低限のテスト駆動開発をやってみる具体例はコレだ!」、 「このくらいの具体例と粒度と分量の本が読みたかった!」 って思える薄い本に仕上げられたと思う。 当時に「このライブラリって何?目的は?」など疑問を思ったところも含めて書けたので、満足♪
後半の「TypeScriptをやってみよう!」はオマケ的な位置づけ、、、 の割にはページ数を食われたけど、気になりつつも手を出せてなかった TypeScriptをやってみれたので、手を出して良かった。 初めてやるときは、このくらいの「ついで」で取り組むのも良いと思う。
Re:VIEW+キンコーズで、執筆以外へのコストは最低限に
今回がサークル参加ではなくて委託参加となった理由は「1ヶ月前を切るまで日程が確保できなかった」から。 実際、参加を決めたのは3週間前で、薄い本を書き始めたのは2週間前。 そんなギリギリの日程だったこともあって、製本版だと締め切りが間に合いそうになかったので、「せっかくなら」ってことで初めて『コピー本』を作成してみた。
そんな余裕のない日程だったけれど、「Re:VIEWで書いてキンコーズで刷る」の組み合わせで48Pコピー本、なんとかなった。「執筆以外のこと」へ割くリソースは大分少なくて済んだかなー、と感じた。出力形式や印刷時の配置、ホチキスの仕方、などを考えなくて済んだ。もちろんこれは、「過去にRe:VIEWで一度薄い本を書いた(環境がある)」という前提があるので、一般には当てはまらないかもだが。
Re:VIEWの良いところって、前回の感想でも書いたけど「見た目に拘らないなら、使い勝手良い」ってところだと思う。 今回も、先ずは文章もコードも区別なくテキストエディタでダーッと書いた。テキストだから端末を問わずに入力できるし。半分くらい?できた時点から、Re:VIEWの記法に乗っ取って章タイトルをマーキングして、引用コードをマーキングして、装飾しながら残りの文章を書いていった。
原稿が書きあがったのはイベントの前々日で、その日にキンコーズさんへ行って刷った。キンコーズさんの「セルフ製本」機能、初めての私でもあっという間にコピー本に仕上げられた。凄い! ・・・ただし、「ギリギリまで執筆でOK」はもう止めましょう(理由は後述)
頒布数は盛大に爆死した。
頒布数に関しては、今回は盛大に爆死した。
※ここの内容は、note.muに書いた次の2つの記事とほぼ同じ。
- 委託を軽く考えてたら、技術書典5で見事に爆死した https://note.mu/hoshimado/n/n1a4b722c3b4b
- 技術書典5で爆死した理由を、数字の面から考察してみる https://note.mu/hoshimado/n/ncf71099bf201
頒布数の結果報告
新刊50部持ち込んで、頒布数が7部。これを「爆死」と呼ばずして何と呼ぶ? 技術書典4の時の既刊も若干数持って行ったんだけど、こっちも盛大に爆死。
具体的には次の結果だった。
持ち込み数 | 頒布数 | |
---|---|---|
新刊コピー本 | 50部 | 7部 |
既刊 | 10部 | 1部 |
今回得た知見は→ 「委託頒布は、サークル参加での頒布とは大分勝手が違う。ゼロベースで計画せよ」。
コピー本だったので、実際のコスト観点での爆死具合が製本版に比べれば軽かった、のが不幸中の幸い。 勉強になった。
なんで爆死したのか?
初めて経験する「委託」へのリスク検討が甘かった。 今回に初めての要素は以下。
- 委託頒布(Notサークル参加)
- ポスター無し
- 製本版では無くコピー本
売り子で入らせていただいたサークルさんで委託頒布したんだけど、自分でサークルを持つ場合と比較して以下の点が違った。
- 被チェック数が見えないので、フィードバックを得られない。
- ジャンルが違う場所に配置されるので、人の流れが違う。
- 告知の手段が限られる。
配置される場所は大切。人の流れがやっぱ大分違う。 ポスター無し、って要素も「ここにこんな本がありますよ」ってのを伝える観点からだいぶマイナス。 テーブルの上の展示だけど通路の両端を歩いている人からしか見えないけど、ポスターを立てておくと、通路の中央からでも見えるから。
コピー本を今回に初めて作ってみて分かったんだけど、これ「保管づらい」。 製本版と比較して、積み上げた時に安定しないし、取り出すときもだいぶ気を付けないとすぐ曲がってしまう。 したがって製本版のように「在庫になったら、別の機会(別イベント、店頭委託など)に出せば良いし」という発想は止めた方が良さそう。出来ないわけじゃないけど。コピー本の委託を引き受けてくれたCOMIC ZINさん、マジで感謝!
そんなわけで、次回にコピー本する場合の部数は絞りに絞る予定。 もし次回も池袋会場なら、近くにキンコーズがあるからその場で増刷も出来る気配だし。
過去の数字に基づいて振り返ってみる
過去の技術書典2〜4の公式発表のサークル参加数と来場者数の数値を拾ってみると以下のようになっていた。
- 技術書典2
- サークル参加:合計195サークル(個人179・企業16)
- 来場数:3400人
- https://blog.techbookfest.org/2017/07/21/tbf02-report/
- 技術書典3
- サークル参加:合計193サークル(個人170・企業23)
- 来場数:延べ3,100人、実人数2,750人
- https://blog.techbookfest.org/2018/01/09/tbf03-report/
- 技術書典4
- サークル参加:合計246サークル
- 来場数:6,380人(整理券配布枚数による)
- https://blog.techbookfest.org/2018/07/13/tbf04-report/
これをもとに過去の当方の「サークル当たりの来場数に対する、頒布係数」を乱暴に求めてみると、「×4.1」だった。
技術書典5に対しては、以下のように見積もってた(んだけど、過去との比較してなかった※1)。
- 来場者数:10,000人(±2,000人:予測値)
- 参加サークル数:500(概算値)
したがって、「自サークル」で且つ「製本版」の場合の頒布予想数は「82部(±16)」。 あー、ちゃんと計算してみるもんだなぁ。フィーリングで「ざっくり頒布数は80部くらい?」とか決めちゃだめだ(※1)。 ・・・キンコーズで刷ってる途中で「この紙の量はアカン気がする。やっぱ頒布数は50部に抑えよう」と 考え直した俺の第六感、良い仕事した!ギリギリ致命傷で済んだぜー。
委託の場合の見積もりは?
82部予測を2種類に単純に振り分けて考えると、「委託であること」「コピー本であること」の影響度は次のように見積もればよいのかなぁ?1サンプルしかないから気休め程度だけど。
- 自サークルではない:×0.02〜0.17
- (既刊の製本版が1部、新刊コピー本が7部)
- コピー本である: ⇒影響は考える必要は無い。
- (むしろ上振れした?でも新刊としての分もあるか)
コピー本であること、は頒布数に関しては考慮する必要がなさげ。 保管のしづらさだけ考慮すれば良さそうだ。 委託頒布の場合は、「自サークルでの頒布数の0.2〜2.0割弱」程度と考えることにしよう。
頒布数の決定には余裕をもって、平常な精神状態で行おう。
振り返ってみると、「何故に私は、80部で行ける!と当初に考えたの?」と不思議でしかない。 思い当たるところはあって、、、「イベント数日前はテンションが変だった」から、かな。 そんな状況でイベント日の前々日に部数キメて刷った。 締め切りもイベントも一緒に迫ってくる。 そりゃー、変なテンションに飲まれても不思議じゃない。 だから「フィーリングで、ざっくり頒布数は80部くらい?」とか決めちゃうのだ(※1のところ)。 ・・・これは、印刷所への入稿でも同じかもね? いくら割り増しすればギリギリまで執筆できる、とは言え、そういうテンションで部数を決めちゃ、少なくとも素人はダメだ。 きっとたぶん。
その他の要因について
今回の考察は「同じコンセプトなら、係数は変わらん」という前提に基づいている。 実際のところはある程度は異なるし、今回の薄い本では前回までと比較して「需要は凄く狭い」という自覚があった。 自分では気に入っているけど、これを欲するエリアに居る人は少ないだろう、って思ってた(通過点だと思うので)。 なので、その分も係数に入れるべきかもしれない。今回は考慮してないけど。
他の外的要因として、「客層が変わった」というのはあると思う。 正確には 「サークル数が大きすぎて事前チェックも当日のリアルタイムチェックも、全数はしきれない。なので、買う側の行動パターンが変わった(変わらざるを得ない)」 と言うべきかもしれない。 これの影響度は不明。だれか「それっぽく」推しはかれる方、居たりしますか?
全体としての感想
頒布数の観点では爆死して悲しみ(・_;)、なのだけれど。 でもイベント参加自体には「満足感」を抱いているのが、自分でも不思議。 新刊コピー本は、自分で読み返して「私はこういう本が欲しい!」と思えるものが書けたし、 購入した本も「読むのが楽しみ」(未だ1冊も読めてないのはヒミツでw)と思えるものをGet出来た。
ただ、、、TLの戦利品報告を見ていて「え、そんな本もあったのか?!」と思う率は、前回よりも高いかなぁ。 母数が多いので絶対値が上がっただけかもしれないが。あと、 会場内での移動が大変で「見えてるんだけど辿り着けない・・・」で消耗した。。。(o - _-)o
最後に、「キンコーズでコピー本作成ならギリギリまで執筆出来るぜ!」は止めましょう。 これ重要。ダメ、絶対。
なんにせよ、イベント自体は楽しかった。 技術書典5を開催してくれた運営の方々、足を運んでくださった方々、 薄い本を手に取ってくれた方々、打ち上げ含めてF2Fで話せた方々、ありがとうございました!
